札幌トモエ幼稚園:登園日誌

ラムネの魔法

「ママーーーッ!(泣)」

もう間もなく日は落ちるというのに
子どもたちの遊びのボルテージは本日最大値をマークしようという
火曜日の夕方4時すぎ。

すぐそこで1つ年上の女子たちとノリノリで遊んでいたはずの娘の突然の泣き声に振り返り、駆け寄ってくるのを抱きしめた。

楽しそうに遊んでいたから、友人と話していた私は何があったのかわからない。

すると一緒に遊んでいた子の1人が
「R奈ちゃんがね、怒ってね、Cちゃん(娘)がね泣いたの」と
ことの次第を伝えにきてくれた。

どうやらR奈ちゃんと喧嘩したらいいことだけがわかった。

「そうかそうか、なんか嫌だったんだねー。何が嫌だったの?どうしたの?R奈と喧嘩したの?」泣いている娘をなだめながら、あたしもこの現場を解決しようと、躍起になっていた。

「どーしたの?」
あまりに大きな声で泣くものだから、周りの子たちが心配して声をかけにきてくれる。

「んー、R奈と喧嘩したみたいなんだー」
そういう私の目線の先には、女の子たちが、複雑そうな顔でこちらを見つめていた。もちろんR奈ちゃんもその中にいる。

よほどショックなことがあったのか?しばらくしても、膝でずっと泣いている娘。
「何があったの〜?ママに教えて〜?」
と何度聞いてもノーリターン。

するとふと、R奈のお姉ちゃんN奈(トモエ卒の小学二年生)がローラーブレードを履いてサササーッと近寄ってきた。

何をするのか?と思うとすっと手を差し出して「R奈がこれあげるから、許してだって」とラムネを娘の手に渡してまた去っていった。

ふと顔をあげ、手の中のラムネを確認すると、徐ろに頬張った。

「え!?そんな手がありなのか?!」
と少し混乱しつつも機嫌が直ったなら!とすかさず
「R奈のとこ行こう!」とコマを誘って女子たちの中へ。

「R奈!ラムネもらったからもういいって。仲直りだね〜」と言って輪の中にさりげなく戻してみた。すると、さっきまでの不穏な空気が嘘のように、またみんなで笑顔で遊び始めた。

万事休す。もはや魔法である。米つぶ大のラムネ3粒のウルトラC。

後で友人に聞いたら、お姉ちゃんが交渉に来てくれている間、本人のR奈はテントの陰から「ちゃんと言ってくれるかな?」て顔でこちらを覗いていたんだって。

大人はついつい原因を究明しようとしてしまう。でも、子どもの些細な喧嘩(もちろんものによるけれど)にどちらが悪いとか、何があったとか…そこまで大事なことではないのかも知れないな。と思わせてくれた出来事だった。

例えば、N奈がいなかったことを想像してみる。

「何があったの?どーしたの?」
(嫌な気持ちをケアするよりも、質問ぜめでむしろ悲しい感情を思い出させちゃってたかも知れない)
「そうか、そしたら一緒にいいにいこうか?」
(ほんの些細なことだったのかもしれないのに、大人が出た時点でおおごと感満載!?)
「嫌だったんだって」
(泣いてるんだもん、きっとわかってるよね〜)
「ゴメンね」
(と言ってくれたらいいけど。言いたくない時だってあるし、そもそも何があったかわかんないのに、ごめんねも違う感じがする)

というのが、ありがちなパターン。

そんなことよりも、ラムネ3粒の方が何倍もみんなハッピーだ。
自分で謝りずらい時は人を頼ったって、ものを使ったっていい。
大切なのは「ごめんね」って気持ちと、それがきちんと相手に伝わること。
でも、同じことを大人がやるのともチョットちがう。
N奈だったからよかった。

小学生のお姉ちゃんが、魔法使いに見えた。

幼稚園からの帰り足
「明日さー、R奈ん家に遊びに行く!」
と言い放って寝落ちした娘。

トモエ幼稚園にはこんな魔法使いがたくさんいる。

 

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