先日捌いてきた廃鶏のレッグ8羽分。
つまりは16本その日のうちに、ソミュール液を作って漬け込み、一週間冷蔵庫で熟成させていた。
本当は来る予定はなかったのに、この仕込んだチキンレッグが気になって(あまり長く漬け込んでおくのもよくないかな?とか)、わざわざ島牧まで来てしまった。
お天気も良かったし、土用なことも相まって体に疲れが溜まっていたのかもしれない。チキンレッグは理由の1つでしかなくて、本能的に体がノンストレスな環境を求めていたのだと、きてみて初めて気づいた。
「ちかー!採れたよー!」
庭では去年間引き忘れた人参が顔を出していた。小さいけど優しい甘みと香り。体が緩んでいく。
友人が泊まっていたユースホステルにお邪魔したら、山菜の天ぷらにもありつけた。
春のえぐみは体を開かせる効果と作用がある。「山菜を食べたい!」と感じるのは、今年もよりよく生きるための人間の本能なのだ。
それでもって肝心の燻製だけれど、お陰様で大成功した。子どもたちも「にく〜」「にく〜」とせがむほどの出来栄え。
「少ししょっぱいかな?」と感じるくらいだけど、酒のアテには最高。廃鶏ならではの歯ごたえも、スモークして少しずつ食べるのなら気にならない。むしろ、味わいが増す。
これが、この鳥さんたちだったなんてね。
予定になかったのに、こなければ!と思ったのは、この鶏の命を無駄にしちゃダメだ!という、無意識のエンジンが動いたように思う。
本当に、美味しくいただこうと決意してやった。だから、美味しくなった。おいしさとは、そのくらいシンプルなものなのかもしれない。
《レシピ》
◎チキンレッグ・・・16本
◎水・・・2000cc
◎塩(天然塩)・・・300g
◎砂糖(三温糖)・・・140g
◎スパイス(黒コショウ、クローブの実、セージ、シナモン、ローリエ、ナツメグ)全部で大さじ3ほど
◎にんにく、たまねぎ、セロリの葉の部分 適量
1.水に材料を入れて沸騰させる。沸騰したら弱火で20分ほど。
2.火を止めて冷めるまで待つ。ソミュール液完成。
3.冷めたらソミュール液を濾して、チキンレッグをつけてできるだけ真空にする。(この時にお酒類を入れるとさらに美味しさが増す)
4.冷蔵庫で一週間熟成
5.鍋にお湯をはり、レッグを茹でる(下茹で塩抜き)
6.沸騰しないように弱火(60-70度くらい)を保ち20分(塩分強めだったので、もう少し長くても良かったかもしれない)
7.お湯からあげたら、水分を拭き取って風乾燥30分ほど
8.80-90度ほどの温燻で3時間
9.できあがり!
ネックで取った出汁もおいしかったよ。