コラム

おいしい料理に欠かせない、たった1つのこと

旅の最終日、私が「仙台の実家」と呼ぶ料理研究家中村美紀さんこと、ミキティママのところに寄りました。

「福島牛のステーキの撮影してるからー!食べさせるからおいでー!」

今回に限らず、彼女の誘い文句は決まって「めっちゃうまい◯◯作ったからー!食べにおいでー!」なのですが、これがまた出逢って以来10年以上一度も外すことなく「めっちゃうまい」わけなので、毎回もその言葉に甘えてノコノコと馳せ参じたのでした。

しかも今回の私、訃報がきっかけの帰省だったこと、子どもたちが熱を出していたことで、ほぼほぼ丸々1週間ろくすっぽマトモなものを食べていなかったので「藁をもすがる思い」に近いものがありました。

「みて〜!このサシの入り方やばくなーい?今から焼くからね〜!ほら〜焼いたから、あったかいうちにたべなぁ〜」 作るときのミキティママは、基本満面の笑み。誰よりも楽しそうで、嬉しそう。

そして「んまっ!やばっ!はやく食べなー!」誰よりも美味しそうに食べるのです。

ミディアムレアに焼かれたステーキを一切れ口に入れると、口の中で脂身が心地よく溶けていくのと同時に、身体の奥の方から温かいものがこみ上げてきます。

生理学的に言えば、代謝が上がっただけなのかもしれないのだけれど、ボディワーカーで、身体に敏感な私のボディにはそれだけではない感覚が宿ります。

そしてこれは、例えば、今回でなく、ステーキでなく、いつなんどき、彼女のどんな料理を食べても感じるものなのです。

ステーキに、鮭のムニエル、土鍋で炊いた混ぜご飯、、、と箸を進めると間もなく、デザートにまでたどり着かぬうちに、私の身体の節々がミシミシと声を上げ始めました。

関節が熱を持ち始め、さながら微熱状態。極度の倦怠感と、目の潤み、心は弾むのに身体は眠気を誘う。水を欲し発汗がやまない。

“あぁ〜そんなに疲れていたんだね〜”

“血肉になるもの摂れてなかったもんね〜”

葬儀のオードブルに始まり、珍しくファストフードのようなご飯が続いていたからか、身体の反応がより顕著でした。楽しい夜の宴を満喫するはずが、我先に9時に寝落ちしてしまいました。

おそらく体力が落ちていたのでしょう。食べた量にして、ランチ半人前に満たないほどでした。それでも、身体が確実に蘇っていくのを感じたのでした。

朝起きて、体温が上がると同時にぐっしょりと汗をかいて、まるでひとっ風呂浴びたような顔をした私

「昨日はごめんね〜寝落ちしちゃった〜」というと

「お疲れだったんでしょう〜!必須アミノ酸が足りてなかったのよ〜きっと」とミキティママ。

果たして、足りてなかったのは、必須アミノ酸だったのでしょうか?

もちろん一理あると思います。

けれど、私には何よりも

「誰かの笑顔を想って、笑顔でご飯を作るエネルギー」が足りていなかったように感じました。

いわば、愛

ファストフードや出来合いのお惣菜でも、一時的な栄養や熱量にはもちろんなると思うし、私もその便利さを享受するものの1人ですが、一方でおそらく人間とは、それだけで生きていくことはなかなか難しい、複雑な生き物だということなのでしょう。

 

素材を選ぶ力(生産者さんへの愛)

調味料を選ぶ力(作り手さんへの愛)

それらをセッションさせ相手の顔を見て腕を振るい笑顔で出す力(食べる人への愛)

ミキティママの料理にハズレがないのは、そこには必ず愛があったからだったのでした。

というわけで、そんな料理を作る人(例えば母や妻)たちには、たくさん愛を表現してあげてくださいね!というのは、料理のつまみにみんなで話していた話より。
ではまた、BIG LOVE!

1年のうち350日の日常を幸せにするミキティレシピ

cooking studio i-e

主宰 中村美紀

https://www.studioi-e.com

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